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詳細に歴史が読めて楽しいです。 カラー写真がもう少し多いとうれしいです。

意味が解かってとても重宝してますが、表紙の紙が薄いので曲がって気になる

幕末期を中心とする会津の歴史に関して、 写真も多くかなりボリュームのある内容ですが、 個人的な感想としては期待はずれでした。 . タイトルは「会津藩不屈の600年史」ですが、クロニクル的なまとめ方ではなく 情報が盛沢山なゆえに全体的にやや散漫な印象を受けました。 . また、600年史ということで、会津藩の重臣、特に幕末に活躍した人物を 数多く詳しく取り上げているに違いないとの期待を抱いていましたが、 西郷頼母・神保修理・山本覚馬・秋月悌次郎で詳しい記述はあったものの、 あまり詳しく触れられていない重臣も多く、物足りなさを感じました。 . そこまでは私の勝手な期待でしたのでよいのですが、 気になったのは、解説が駆け足的に感じられる部分があり、 諸説ある事柄や解釈が微妙な事柄を 些か断定的ともとれるような記述がちょいちょい目に付いたことです。 . 例えば 「人物Aが行ったとされるが人物Bとの説もあり、あるいは他者とも」という事柄を あっさりと「AとBが行った」と記述している、など。 . 白虎隊に関する記述にもひっかかることがありました。 白虎隊出陣後の行動に関しては、折々細かく諸説あると記載しながらも 彼らの最期に関しては「通説」を用いて感傷的に文章が結ばれていました。 このあたりは昨今、かつての「通説」より深く読み解いた解釈がなされており、 私はどのように解釈するかは非常に重要だという認識を持っていましたので、 この本での表現には少々落胆させられました。 . 解釈云々は個人的な思い入れということもありますが、 この本のみならず歴史物のムックでは間違いを見つけてしまうことも多いのです。 酷い例としては、佐川官兵衛と萱野権兵衛を明らかに混同していて、 当人のものではないエピソードが書かれている本がありました。 それは歴史図書専門出版社の決して安くないムックだったりするから怖いものです。 . そんなこともあるので、殊に会津史に関する知識が浅い私には、 この本は、知識を深めるために用いても良いかどうかという戸惑いが生じました。 尤も、逆に会津史に詳しい方がこの本を読んだら、 総合的には優秀な本だという評価が成される可能性も勿論あるわけです。 . さしあたり、歴史物ムックは写真などビジュアルを楽しむものとして読みたいと思います。

何かと参考になる、おもしろい著書でした。